正田圭「この時代に投資家になるということ」を読んで
正田圭さんの「この時代に投資家になるということ」(星海社新書)を読んだ感想です。
名字は「まさだ」と読むそうです。
別世界の若者
筆者は15歳で初めて起業し、その後も次々と会社をつくったり建て直しては売却したりして資産を築き、まだ32歳だそうです。
大学出て20年同じ会社で働いてる平凡なサラリーマン(=自分)から見ると別世界の若者です。
タイトルの「投資家」が一般的な意味と違うことは立ち読みしてわかりましたが、興味を惹かれたので買って読んでみました。
労働は麻薬
筆者によれば、労働とは麻薬なのだそうです。
これだけでは意味がわからないので少し引用すると
・会社に雇われ、時間で拘束され、労働して対価をもらうのは、ある意味楽な行為
・自分で考え、判断するのはつらい行為。それをしなくていいのですから、労働とは楽な行為なのです
・雇われている状態が長く続くと、(中略)そのうち自分で考え、動くことをやめてしまいます
・雇われることは麻薬やギャンブル、酒、タバコのように依存性のあるものなのです
「サラリーマンだって何も考えてないわけじゃない、お前に苦労がわかるか!」
と否定するのは簡単ですが、今の会社で定年まで働けばいいや、というのはたしかに思考停止しています。
AIの登場・普及によって、働くことの意味が問われ始めている中で、「麻薬におぼれて」いてはどんどん時代に取り残されてしまいます。
筆者の考える「投資」「投資家」とは?
筆者はいわゆる投資もあれこれ経験はしてきたそうですが、冒頭に書いた通り、普通とは違った意味で「投資」や「投資家」という言葉を使っています。
こちらも引用すると
・投資とは、簡単に言うと、まだ評価されていない人を、お金で応援すること
・「投資」とは「コミュニティ」に参加すること
・投資家になるということは、自分で頭を使い、行動を起こし、コツコツと努力をすること
・労働でお金を稼げないこれからの時代、僕らはみな、(中略)投資家として生きねばならない
といったところです。
筆者が、ただの資産運用よりずっと広い意味で「投資」「投資家」という言葉を使っていることがお分かりいただけるでしょうか・・・。
投資で勝つには?
投資で一人勝ちするには、「ものごとを斜めに見る能力を身につけ、秘密の法則を探すしかない」と書かれています。
人と違った見方ができ、人より早く世の中のからくりに気づく必要があるということでしょうか。
「世の中で大多数を占めてる凡人にはそんなこと無理ですよ!」と突っ込みたくなります。
でも、変化はどんどん速くなっていくことですし、自分の頭で考え続けることは大切だと思います。
画竜点睛
働くことや働き方の意義を最近よく考えている自分にとって、非常に面白い本でした。
「ミレニアル世代とか言って、ろくに会社で働いたこともないくせに」
と否定するのは簡単ですが、自分よりずっといろんな経験をしてきた人ですから学ぶべき点がたくさんあるのは当然です。
いい刺激をもらいました。