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山崎元さんの「信じていいのか銀行員」を読んで

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久々に書評です

母が銀行員に勧められて保険に入ってしまったから・・・ではなく、
2週間ほど前、子どもを図書館に連れて行ったときにたまたま見かけて借りました。
「信じていいのか銀行員 マネー運用本当の常識」(山崎元、講談社現代新書)

もう2年以上前に出た本ですが、山崎さんの本は色々読んで“お腹いっぱい”だったので、読んでいませんでした。

世に溢れる金融商品の本当の価値

山崎さんはどの著書でも、今の日本に溢れている多くの金融商品が「クズ商品」だと言い切っています。
そして、なぜクズ商品なのかを理論的に説明してくれています。
自分の「金融リテラシー」をどれだけ上げてくれたかわかりません。

今回もそんな説明を丁寧に続け、最後に「投資家の誤解ワースト5」としてまとめています。
 第5位 長期投資すると、リスクが縮小する
 第4位 高齢者には配当や分配金のようなインカムゲインを指向する運用が向いている
 第3位 手数料が高いにもかかわらず、アクティブ運用の投資信託に投資する
 第2位 高金利通貨には為替リスクがあるが、高利回りが期待できる
 第1位 銀行員は、運用の相談をするのにふさわしい相手だ
え?と思った方は一読する必要があるということです。

投資と投機の違い

本の中で「わかりやすいな」と思ったものに、投資と投機の違いがあります。
山崎さんは
投資:何らかのリスクを取って経済的な生産活動に資本を提供する行為
投機:お互いの見通しの違いに賭けるゼロサムゲーム的なリスクを取ること
と区別し、金融商品
投資にあたる:株式、債券、不動産
投機にあたる:為替、商品相場、金(ゴールド)
と分けて考えるべきと主張しています。
外貨預金やFXは「投資」の手段ではないということです。

お勧めの資産運用法も載っている

以前紹介した、荻原博子さんの「投資なんかおやめなさい」と論調は似ています。
しかし、荻原さんが投資そのものをすべて止めてしまえと言っているのに対し、山崎さんは資産の一部をインデックス投資により運用することを提案しています。
ここが大きな違いですね。
自分は山崎さんの考えに基づいてインデックス投資をしていますが、金融商品についての知識がなく簡単に騙されそうな人は、荻原さん流にしてとにかく資産を守るのもアリかな、と思います。

蛇足

なんとか図書館の返却期限までに読み終わりました。
最後はかなり“駆け足”でしたが・・・。