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荻原博子さんの「投資なんか、おやめなさい」を読んで

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「投資なんか、おやめなさい」(荻原博子、新潮新書)を読んだ感想です。

荻原さんが怖い顔で・・・

荻原さんはテレビでもよく見かけ、お金のことをわかりやすく穏やかに教えてくれるちょっと上品なおばさま、と思ってました。
それがこの本の帯では恐い顔をして、指差してます。
さらに「銀行・証券・生保 激怒必至」という物騒なコピーまで。
買って読んでみました。

「クズ商品」を徹底的にわかりやすく説明

これも刺激的なタイトルですが、第3章で「こんなクズ商品には手を出すな」と題して、毎月分配型投信や投信とセットの定期預金、外貨預金等ちょっと魅かれる商品のダメさ加減をわかりやすく説明してくれています。

他の章では外貨建て生命保険や個人年金も詳細な解説とともに「ダメ出し」してます。
たしかにこれでは銀行も生保も売るものがなくなってしまいます。
ただ、言ってることはほとんど同意できるもので、対面で売られている金融商品買ってはいけないものが溢れていることを改めて確認できます。

インデックス投資や積立投資も否定?

投資を勧めない本なので、インデックス投資も勧められていません。ただ、クズ商品には挙げられておらず、否定しているのかはわかりません。

株価は上がることも下がることもあると書いていて、長期的には上昇するものとは考えていないように見えます。これも明記されていないのでわかりませんが。

ドル・コスト平均法による積立投資にも否定的です。
「高いときも同じ額で買うのは馬鹿げている。高くなったら買うのを止め、下がったときのみ買えばよい」という主張です。

しかし、これだと投資を始めてから株価が上がり続けていたら全然株を買えないことになります。
買うタイミングを計るべき、というのは株価を予想して買えと言ってるようなもので、素人には(過半数の玄人にも)できません。

自分もドルコスト平均法に全面的に賛成ではありませんが、荻原さんのこの主張には無理があると思います。

「ちょい投資」

それでも投資をしたい人には「ちょい投資」を勧めています。
具体的にはミニ公募債、時間をかけてリスクを減らすこと、個別株式への投資を挙げています。
リスクを抑えて投資を楽しめるものを考えた結果なのだと思います。

この辺は完全に趣味の世界なので、共感できる人は参考にすればよいのでは。

画竜点睛

退職金が入って「投資しないといけないのかな」と思ってしまっている人はまず読んだ方がいい本です。