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山崎元「シンプルにわかる確定拠出年金」を読んで

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山崎元「シンプルにわかる確定拠出年金」(角川新書)の書評です。
確定拠出年金のメリットやどのように利用すればよいか、どの商品を選べばよいかといったことが書名通り「シンプルに」書かれています。
2017年6月に出版された本なので、法改正による加入対象者の拡大にも対応しています。
また、個人型のみならず企業型の利用者向けの箇所があるのもありがたいところです。

自分は既に山崎さんの本を何冊も読んでお手本にしているので目新しい主張はほとんどありませんでした。
自分が運用するうえで新しい発見としては、「国内株式のインデックス投資をするなら手数料の安いETFの方がよい」というところでしょうか。
確定拠出年金の限度額以上に運用資産がある場合は、確定拠出年金で外国株式の投資信託、NISAで国内株式のETFを購入するのがベスト、という結論です(もちろんどちらもインデックス)。
自分も結果的にそうなっている部分はありますが、あまり意識していませんでした。

山崎さんは、読者が迷わないよう結論を明確にということをかなり意識して書かれています。
そのため、本当の初心者の場合だと「どうしてそうなるの?」という疑問が生じたり、理解がしにくい部分があるかもしれません。
また、アクティブファンドも一刀両断に切り捨てています。
たしかに長期にわたり市場平均を上回り続けたアクティブファンドは存在しないと言われていますが、ここまではっきり否定するとは、と改めて驚きました。
(それに気づけるだけ自分も成長したのでしょうか・・・)
“地雷”のようなアクティブファンドを売りつけてくる金融機関に対抗するためにはこのくらい書いておかないと、という「親心」だろうと思いますが。

自分の勤めている会社が確定拠出年金に移行した方や、これから個人型確定拠出年金を始めてみようと思っている方には一読の価値ありです。