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母が銀行から相続関連の商品を勧められた

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母の状況

以前から当ブログを読んでいただいている方はご存知かと思いますが、自分の父は昨年急死し、それ以来母は一人暮しになっています。
幸い近くに住んでいるので頻繁に往き来して、うちの子の面倒もよくみてもらっています。
(母と妻の関係も良好で、感謝感謝です)

父は少し投資信託を買ったりしていましたが、母はそういう知識が全くないので、相続後に全部売却しました。
その結果、母はそこそこ?の金融資産を全て無リスク商品(銀行預金、個人向け国債MRF)で保有しています。

M銀行が紹介してきた商品は?

そういう状態の顧客に、銀行や証券会社は時々商品の紹介にやってきます。
大抵は「しょうもない投資信託」=手数料の高いアクティブファンドです。
さすがに全部売却した直後なので強くは勧めてきませんが。

母はその手の知識がないことを自覚しているので、何か勧められると必ず私に相談してきます。
今回はメガバンクのM銀行が、珍しく投資信託ではなく相続関連の商品を勧めてきました。
詳しく言うと生命保険家族信託です。

生命保険の非課税枠

死亡保険金の受取人が法定相続人である場合、500万円×法定相続人の数までが相続税の課税対象になりません(非課税)。
親が保険料を払って生命保険に入り、亡くなったら子供に保険金が入るようにしておけば、相続税を減らせるというわけです。
ただ、相続税には基礎控除額をはじめ様々な控除・特例があるので、そもそも相続税を支払う必要のない人には関係のない話です。
(母の場合もそうですが、自宅の相続の仕方による影響で大きく変わってきます)

家族信託

母は「亡くなって口座が凍結されてもすぐお金を使えるようになる」と言ってパンフレットを見せてくれました。
たしかにそういったメリットもパンフレットに書かれていて、銀行の方はそこ強調して紹介したのでしょうが、あまり本質的ではない気がします。

家族信託とは、一言でいえば「自分の財産を死後どうするか、柔軟かつ多様に委託できるサービス」であると理解しています。
例えば、お嫁さんと仲の悪い姑さんが、「自分の死後、財産を息子が相続するのはよいが、息子も亡くなった後はお嫁さんに渡さず孫に渡したい」と思っていても、遺言では不可能ですが家族信託を使えば可能になります。
その他、認知症対策としても注目されているようです。

家族信託はそれほど歴史もなく、FP1級の勉強をしなければ、私も知らなかったと思います。
利用することで何が可能になるのか、方法も含めサービスとしてまだ定まっていない印象です。

結論

母には
「長生きするのでまだそんなこと考える必要ありません」
と言って断るよう伝えました。

そもそも、夫を亡くして1年しか経っていない60代の女性に、もう相続のことを考えろというのは失礼な話だと思います。
自分が母の立場だったらキレてるかもしれません。

母は相続税を払うのはすごく嫌なようですが、すごい資産家でもないので将来本当に払うことになるかはわかりません。
幸い兄も自分も食うに困らない生活をしているので、母には
「長生きして、たくさんお金を使ってくれればいいんだよ。相続税も払わなくてよくなるし」
と言いました。

蛇足

すかさず母から
4月に海外旅行に行く
と言われました。
意外と交渉上手かも・・・。