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相続税申告書の作成 その2~名義預金にご注意!

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●前回記事の補足
 前回の記事で残高証明書に申告に必要な経過利息が載っていなかったことを書きました。
 口座があったメガバンク3行で証明書を取得して、経過利息が入っていなかったのは1行だけで
 全ての銀行がダメというわけではありません。
 再発行はしてもらえそうですが、窓口担当者はもう少し気を回してくれてもよいのでは?
 と思います。(相続以外で残高証明書をもらう個人ているんでしょうか?)

 窓口だけでなく、銀行の担当者も相続税の申告に関する対応はほとんどありません。
 名義変更の案内はきたものの「必要なら残高証明書をとってね」という感じです。
 申告が必要な人は少数派ということなのでしょうか・・・?

●名義預金に要注意
 今回、亡くなった父だけでなく母の口座の残高証明書もすべて取得しました。
 名義預金にあたると考えているからです。
 名義預金とは、口座の名義人と本当の保有者が異なる預金のことです。
 
 預金の口座名義を変えれば保有者も変わると考えている人は多いのではないでしょうか?
 そう考えて、相続税対策として自分の預金をせっせと妻や子の口座に移していませんか?
 
 税務署は口座名義だけで資産の保有者を判断してはいません。
 では、判断基準は何かというと
 ・資産の入手方法(元々誰が稼いだお金か)
 ・資産の管理者(預金なら、通帳や印鑑を持っているのは誰か)
 がメインになります。

 親が子供のためを思って内緒で口座をつくって…、という場合はまず認められません。
 子供が口座の存在を知っていても、判子を親が持っていたために、子供の財産とは
 認められなかったケースもあります。
 
 「毎年110万円を少し超える額を贈与して、贈与税を納めておけば贈与したものと認められる」
 というテクニックもよく紹介されています。
 しかし、贈与したとされる(口座名義を変えた)預金を引き続き親が管理していれば
 贈与と認められない可能性大です。

 これって、世間では誤解されている人が多いのではないでしょうか?
 自分も知りませんでした。
 相続税関係の素人向けの本にも書かれているので、知ってる人には当たり前なのでしょうが。
 
 預金以外の財産(株式、動産等)も考え方は同じで、広く「名義財産」といいます。
 専門家向けですが、名義財産について特に詳しいのはこの本です。
 相続税調査であわてない 「名義」財産の税務(安部和彦 中央経済社)

●我が家では
 父が亡くなった後に調べてみたら、父の金融資産(預金や投資信託)の多くが
 母の名義になっていました。
 母はずっと専業主婦だったので、固有の資産は僅かです。
 相続税対策になると思って、父がせっせと移していたようです。

 どう見ても名義財産にあたるので、母名義のものも全て父の財産として申告する予定です。
 幸い、それでも税額は0になる見込みですし、申告せずに後から指摘されるリスクの方が
 はるかに高いので自分としては迷う余地はありません。(面倒というのはありますが)

 ただ、母にはその辺りを上手く伝えきれていません。
 自分のお金が自分のものでなくなる感じがするのか、
 「全部申告しなくてもいいんじゃないの?」(=私のお金ってことでいいんじゃない?)
 と折に触れて言われています。

●画竜点睛
 名義財産にあたるかどうかは、誰が稼いだものか、誰が管理していたかで判断されます。
 税務署は実質をみて判断するのです。
 
 自分は「全部名義財産扱いでいい」となりましたが、税額に影響するのでシビアな判断が
 必要という方は、税理士に相談すべきと思います。